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第二十二夜 Revisit City @Istanbul [Turkey]

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バスは予定より少し遅れ、16:50にイスタンブールのバス・ターミナルに到着した。

座席は2+1という広い配列でしっかり眠ることができたが、9時間ちょっとのバス移動はさすがに疲れる。
車内にはWi-Fiも飛んでいたが、田舎道では異常なほど電波が弱く、遊び程度のものでしかない。
それでも持参してきた文庫本も少なくなって来ていたので、ヒマツブシの一役は買ってはくれていた。

近年、ヨーロッパの長距離バスは「Wi-Fi完備」がウリ、モチロン無料で携帯会社に金を払う必要もない。
パブリックWi-Fiはもはやトイレと同じ公共のファシリティになってますね、こちらでは有料のトイレ多いけど。

バスは11時過ぎに『カプクレ』という国境の町に到着し、ブルガリア出国、トルコ入国を重ねた。
来た時はトランジットだったので、一応、この旅で10ヶ国目を数えることになった。
トルコは5回ほど渡航経験があるので大きな感激はないが、
やっと戻って来たという点と、いつか自分の旅でこの国を訪れたかったという二つの感慨が大きく滲んだ。

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トルコ側に入国するとすぐに郊外スーパー並みの巨大な免税店がお出迎え、トイレ休憩を兼ねてそこに解放されると、
広い建物の中では多くの越境者が買い物に勤しんでいた。
移動で疲れた人を集めているカフェでこちらもコーヒー・タイム、出発前に使ったトイレは清潔で気分が良かった。

あとで調べてわかったのだが、ここは世界で2番に通過者が多い国境だそうで、ゆえに免税店もバカデカイいようで。
ちなみにWeb上にここを『エディルネ』と記しているものもあるが、それは県名のような地域名を表すもの、
さらには世界遺産を有する『エディルネ』という町もあるが国境にはあたらず、国境の町は正確には『カプクレ』だ。

トルコに入ってからもバスは2~3時間に一度トイレ・ストップを織り交ぜながら、ただただ走り続けた。

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市内へ入る渋滞に巻き込まれた形で少し時間を失い、ようやくイスタンブール郊外のバス・ターミナルに到着した。

こちらではバス・ターミナルは通称「オトガル」と呼ばれている。
ラテン系で「アウトブス」と呼ばれるようにローカルの言葉がそのまま生かされている形だ。
北の郊外にあるこのバス・ターミナルは地下鉄の駅名もそのまま『Otogar(オトガル)』、
申し訳程度に「Coach Station」と書き添えられており、M1路線にある。

まずは隣接された地下鉄駅に向かい、US$5だけ両替、手元には10トルコリラがやって来た。
かつて恐ろしいほど「0」が並んだトルコ・リラだが、
約10年前に100万分の1(!)のデノミを行い、煩わしい「0」を切り捨てた。
たしか当時はチャイ一杯が1,000,000トルコ・リラだったような気がする。

改札で宿のある新市街の中心地『Taksim(タクシム)駅』への行き方を尋ね、ホームへ降りた。

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20分ほど走っただろうか、『Aksaray(アクサライ)駅』で乗り換え、M1の終点駅だったので焦りもせず、改札を出た。
少し離れたM2線の『Yenikapi(イェニカピ)駅』への乗換えが必要なのだ。

駅構内から地上に出るとそこには多くの人が行き交い、一気にありとあらゆる喧騒が襲いかかってきた。
旧市街のノイズが出迎えてくれた形だ。

ああ、トルコの街、イスタンブールの街並みに帰って来たんだなあ、という思いがよぎりはしたが、
それ以上に騒音と人混みがすごく、重い荷物を抱える身としては「郷愁」や「感慨」に浸るにはほど遠かった。
この旅で出会った最大の人出に大いに戸惑い、
地方から渋谷のスクランブル交差点に放り出された修学旅行生のようになって気後れしていた。

M2路線はこの年、つまり2014年初頭に開通したばかりの海岸線を走る『マルマライ線』とは接続していたが、
他の路線と繋がっておらず、乗り継ぎがやっかいだった。
そのためM1『アクサライ駅』からM2『イェニカピ駅』まで10分ほど旧市街の繁華街を歩かされる破目に。
(2014年8月時点の話。現在、M1路線は『Yenikapi(イェニカピ)駅』まで延伸している)

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到着時になんでこんなメンドクサイ乗り継ぎをしなければならないチョイスをしたかというと、
あまり足を向けたことがなかった『新市街』に滞在したかったため、
そして空港へのシャトルバス、ミニバスの発着が多い『タクシム広場』近くが帰国時にはラクであるため、
そんな理由から宿を導き、『タクシム広場』に近い宿をブッキングしていたのですね。

大通りを歩きながら時折、ビジネスマンらしき人を捕まえては道を尋ねる。

なにせ乗り継ぎ駅への道案内カンバンは心細い数しかなく、無料の市内地図から導いた方角だけが頼りだった。
それでもトルコでは英語が通じる人が多いので、バルカン・エリアほどの苦労はない。
翻すとバルカンと異なり、地図を広げて思案顔をしていても声をかけてくれる人は少なく、都会の寂しさが漂ってはいた。

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旧市街には似つかわない真新しくがらんとだだっ広い『イェニカピ駅』への階段を降りる。

始発駅なので無人の車両がホームに飛び込んでくる。
ドアが開くと人々は走り出し、奪い合うように席についた、「ここは韓国か」と見間違うような現象でかなりオドロキ。

地下鉄という新しい乗り物がめずらしいのか、はたまた座らなければ料金の元がとれないとでも思っているのか、
地下鉄に乗るたびにその光景は繰り返され、なんともトルコ人らしくない光景を垣間見たようで解せなかった。

ソフィアから座りっぱなしだったこともあって、先ほどと同じような時間をドア脇で立って過ごした。

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人の流れにつづいて『Taksim(タクシム)駅』から地上に出ると広場に放り出された形となった。(写真2)
今度は新市街のノイズがお出迎え、ただしこちらは広場が大き過ぎて、荷物を抱えた身には孤立感がスゴかった。

広場からブティックが並ぶ『Istiklal Caddesi(イスティクラル通り)』を駆け抜ける観光用のトラムの姿も懐かしい。(写真1)
地下鉄の出口番号を目安に地図と照らし合わせ、それより一本北側の『Taksim Boulevard』を進む。
交通量の激しい大通りは広場を頂点として、下りの坂が続いていた。
荷物を持つ身としては下りの道は助かったが、出発時、ここを上がるのかと思うと少しばかり気重になった。

メモっていた『Kalyoncu Kullugu Cd』という宿のある通りの名だけが頼り、
とはいえ『かるよんちゅ・かるーぐ通り』という読みで合っているのか、トルコ語の発音すらおぼつかない。
迷う前に、と大通りにあったパン屋で通りの名を記したメモを見せ、道を尋ねた。

英語は通じなかったが、どうやら3本ほど先の路地がその通りらしかった。

通りの角には道路名のプレートが貼られているが、教えられた3本先の通りは角の建物が工事中だった。
ええい、とクルマが行き交う路地に分け入り、
商店を見つけてはメモを示し、行き交う人を捕まえては確認を取り、地元の人を煩わせながら進んだ。

それらしい番地が近づいてきたので、小さな八百屋さんに問いかけてみる。

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「ああ、そこだよ、カンバン出てないけどね。友達がやっている宿さ」

そういうと3軒ほど先の建物をわかりやすく色で教えてくれ、事なきを得た。
ホステルやゲストハウスは実のところ地元の人には関係がないので存在を知らない人も多いのだ。
宿の知り合いを引き当てるなんて、ちょっとした幸運じゃないか。

カンバンもない玄関をノックすると年配の男性が出迎えてくれた、だが彼は英語ができないらしい。
オーナーは出かけているらしく、おまけに宿は電気が止まっていて、PCの予約記録を確かめることができなかった。 
それでもドミトリーのベッドを割り当ててくれ、ロッカーをあてがってくれた。
18:30、ようやくチェックイン、バスで到着してから1時間半ほどの道のりなので上出来の部類かな。

セルビア・ベオグラードから3日ぶりにまともなベッドを得た。


ソフィアからイスタンブールへ
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