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第二十一夜 Short-Term Homeless @Sofia [Bulgaria]

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『アレクサンダル・ネフスキー寺院』から街の中心へ戻った。

途中途中にある教会を眺め、店先を冷やかし、気になった路地に入り込み、急ぐことなく歩く。
時間に縛られず、こんな風に歩く旅先のひと時が一番贅沢で楽しい。

とはいえ、どことなく落ち着かないのは逗留先がないからだろうか。
寝台列車で朝に着き、深夜バスで夜に発つ、
ブルガリアの首都は通り抜けていくだけの行程、と決めてしまっていた。
泊まらずに駆け抜ける「日帰りソフィア」だ。

そうなると歩き疲れても戻る場所がない「短期のホームレス」だ。
そのホームレスがこの夜、まさかあんな破目に陥るとは。
この時はまだ知らないで街歩きを続けていた。

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小さな公園では子供たちが嬌声を上げていた。

周りの木陰にはベンチがあり、お年寄りがくつろいでいる。
お父さんが子供たちの面倒を見ているようで、お母さんたちは井戸端会議に忙しい。
広場の真ん中には水道があり、近所で買ってきた果物を洗い、子供たちに齧らせているお母さんもいる。
ジョギングする人が立ち止まり、ペットボトルと自分自身に給水するとまた走り出していった。

こちらも遠慮なしに顔を洗い、水を補給、
隣にやって来たおじさんはこちらを伺い、ニヤリと微笑むと同じように顔を洗い出した。

そういえばマケドニアからこっち、公共の水飲み場をよく見かける。
ヨーロッパの街角ではよくある光景、街歩きには真の「オアシス」となるスポットだ。

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「水の国」日本ではこういった光景はあまりみかけない。
公園に整備された「水道」とちょっとまた毛色が違うんだよな。
そういえば外国の方は「日本ではお店で水が出てきた」って感動するらしい。

ツアーで案内していてこういう情景に出会うと「飲んで大丈夫なの?」なんて聞いてくるお客さんが多かった。
「地元の人は飲んでいるし、わたしも部屋でも普通に飲んでますよ」と正直に答えていた。
「ただし石灰分が多いので緑茶に入れるとすぐに茶色く沈殿しますね」なんて注釈をつけて。
実際、ホテルの部屋でティーバッグの日本茶を煎れるとあまりおいしくないのです、これが。

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【航空券+ホテル】エクスペディアのパッケージツアー! 

そういえばかつて自分が担当したツアーではオナカ壊す人は少なかったなあ。
こういうのは正しい情報さえ提供できれば、みなさん意外と平気なのですよね。
情報過多に陥っちゃっている人は歯を磨くのにもミネラル・ウォーター使ったりしてますからね。
慣れない「硬い水」が合わないだけ、おなか壊す「菌」がいるわけじゃないのです。

見知らぬ土地でおなかを壊す原因のホトンドは「疲労」だったりします。
フライトですでに疲れている上に市内観光、街歩きで一日歩き回り、
そこに慣れない食事となれば、おのずと答えは、ねえ。
「座っているだけ」と思ってしまうフライトですが、実際は「減圧」と「乾燥」でカラダはボロボロ、
到着から数日は駅ることならスロー・ペースでいきませう。

ちなみに50か国ほど訪れた経験で1つだけ水道水を飲まなかった国があります、どこでしょう。
答えはエジプト、だってあの国、シェラトン・クラスのホテルでもしばらく水を出しておかないと赤いんですぜ。
ほとんどの水道管が錆びているんだそうで、蛇口から出てくる水が赤いのです。
地元の人も「飲まないほうがいいですよ」だって。

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途中、『St. Sofia Church(聖ソフィア教会)』を訪れたりしながら、
『スヴェタ・ネデリャ広場』を目指し、そこでランチをとることにした。

短い滞在となるブルガリアだが「郷土料理ぐらい食おうじゃないか」と思いつつ、
ブランド・ショップやブティック、カフェやレストランが並ぶ通りを物色して歩いた。
ところがソフィアの中心地にあるオシャレ通りには地元料理らしい店が見当たらない。
こりゃあ、探す場所間違えたなあ、と反省しきりに歩いているとひときわ客を集めている店が目に留まった。

中華の店だがいわゆる中華料理店的な感じでなく、
デリカ・テッセンのようなカフェのような、入口に「Free Wi-Fi」の表示があるようなオシャレ・スタイルのお店。

チャーハンと野菜炒めのプレート7,9レヴァ、オシャレな店はちょっとお高めね。

いくら滞在が短いからといっても、午後の一番熱い時間を街歩きに費やす気はせず、
エアコンの効いたカフェに潜り込み、食後のコーヒーを頼み、PC開いて、しばし休憩モード。
ガラスケースを彩るアイスクリームから誘惑の視線、逃れることができずに追加オーダー、
う~ん、街なかにいるとチョコチョコお金を使うなあ。

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陽射しが弱まってから広場の周辺をぶらついた。

広場と同じ名の『St. Nedelya Cathedral(聖ネデリャ教会)』、
朽ちかけた感じの『St. George Church(聖ゲオルギ教会)』、
地下鉄工事で見出された『セルディカの遺跡』など片っ端から足を向け、巡り倒す。
ああ、フレスコ三昧、見放題のシアワセ。

首都のど真ん中だけあって、有名どころのホテルが並び、凛と立つ制服姿のドアマンがまぶしい。
ああ、そういえばファスト・フードのカンバンも久々のお目見え、
なにせバルカン・エリアにはチェーン店の魔の手は及んでいなかったからなあ。

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『バーニャ・バシ・ジャーミヤ』の隣りの公園へ。

モスクの裏手では地元の人が大きなタンクや水筒を持って水を汲んでいた。
これまた公共の水飲み場かと思い、手を浸してみるとなんと蛇口から流れ出る水が温かい。

「温泉!」

辺りを眺めているとクルマで横付けしてきて、たくさんのポリタンクやペットボトルを降ろしたかと思うと、
蛇口からたんまり温泉を汲んではまたトランクに積み込んで帰っていく。(写真7)
モスクの名に『バーニャ』が残っているのはかつてこの辺りに入浴場があったからだという。

犬の散歩ついでに自らの口を湿らせていく人もいて、穏やかで微笑ましい光景が広がっていた。
ここだけどこかの田舎町の温泉場か公共施設という感じで、一国の首都のど真ん中とは思えない空間だ。

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夕暮れが訪れはじめた頃、アザーンが響き渡る。

こんなとき、「ああ、自分は異国の知らない街に居るのだなあ」などと思ったりする。
センチメンタルに浸るわけではなく、旅先のなにげない瞬間、なにげない一瞬にそんなことを感じるのだ。
脇を抜けていくトラムは家路を急ぐビジネスマンで混み合っていた。
家路を急ぐ彼らにはモチロンそんな感傷はない。

さあて、居場所のない放浪者、家路のない旅人はどこへ行こうか。
バスの時間は0:30、まだ4時間以上残っているソフィアの時間をどう過ごそうか。

夕食のレストランを探しながら、あてもない見知らぬ路地を歩き続けた。


バーニャ・バシ・ジャーミヤそばの公共温泉


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