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第十三夜 Rural Bus Routes @Berati [Albania]

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―DAY13― 8月17日

朝方、激しい雨で起こされた。

エアコンなしなので開け放たれた窓からおかまいなしの雨音が響き、
眠気を断たれたので、あきらめて起き出す。
といっても8時なので、勤勉な旅行者とはいえないが、
ドミトリーの他のベッドはまだ寝息を立てていて、この宿では優秀さを誇っていいかもしれない。

8:30に朝食を摂りにキッチンへ。

プレートは昨日と少し変化していて少しウレシイ、
それ以上に朝から淹れたてのコーヒーを飲めることがさらにシアワセ、ああ、なんとも安上がりな旅行者よ。

今日はこの街を発つことを決めていた。

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次の国・マケドニアを目指してもよかったが、
首都ティラナだけでアルバニアを判断するのは少し浅はかな気がしたので、
ここから南下し、オフリッド湖を南から回り込み、マケドニア入りするルートを思い描いていた。
まあ、小国モンテネグロはコトールだけで終えているけど。

というのも昨夜の夕食のテーブルでマネージャーに「次の街へ行く」話しを伝えると、
海辺でリラックスしたいなら『Durres(デュラス)』、
画になる町なら『Berat(ベラート)』『Gjirokastra(ジロカストラ)』を勧められたのだ。

代理店のボスも「『ベラーティ』がいいよ」と言っていたのを思い出し、符丁が合ったかのような感覚を受けた。

ルート的には「デュラス」はティラナの真西、「ベラート」「ジロカストラ」は真南にある。
アルバニアの人たちと一緒に海水浴する気もなかったので、
「ベラート」を経由して、ギリシャとの国境にほど近い「ジロカストラ」まで南下、
そこから北東に上がり、オフリッド湖やプレスバン湖辺りへ回り込んで行けばいいか、などと考えていた。

楽しいディナータイムは22:30に終わり、そこからこぞってBARに繰り出し、語らいの夜はまだまだ終わらなかった。

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「昨日の話で教えてくれた『ベラート』に行こうと思います。
 バスはどこから乗ればいいですか?」

地図に印をつけてもらい、バス乗り場のメドをつけた。
ヨーロッパ最貧国でもあるアルバニアはインフラが整備されておらず、いわゆる総合的な「バス・ターミナル」がない。

南に向かうバスは街の南側から、東のマケドニア・オフリッド方面に向かうバスは北側からと、
バスの発着地点が行き先によって、それぞれが街の外郭に陣取る形となっている。
そのため西から流れて来た際、街の西側のロータリーのなにもない所で降ろされた、というわけで、
モンテネグロ方面はあの西側エリアが発着場所なのだ。

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「『ベラーティ』はそれほど難しくないと思うよ、バスも直通だし。
 ただあそこからマケドニア方面にバスがあるか、ここだとわからないんだ。
 ある時は運航していて、ある時は廃止されて、という感じのルートなんで確実なことが言えないんだよ」

「わかりました、その情報だけでもありがたいです。
 バス・ルートがなければティラナに戻り、またこの宿に泊まりますよ」

「あはは、再会できるとうれしいけど、ルートがあることを祈っているよ」

「ありがとうございます。この場合、『また会いましょう!』っていわないほうがいいのかな?」

次の目的地が定まった。
この町は英語だと『Berat』、アルバニア語だと『Berati』とスペルが異なるので語尾に違いがある、
英語表記と現地語表記で異なる地名は厄介だ、
なにせ「ベニス」と「ベネチア」を違う町だと思っている人がいたぐらいだから。

なお、このブログではローカル発音で記しているので、ここからは「ベラーティ」扱いでいきますね。

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雨が上がるのを待って、9:50にチェックアウト、バス乗り場を探してティラナの南西へ向かった。

午前中の街はまた表情が異なり、荷物を背負った身だったが眺めて歩くのが楽しかった。
ひとつ気づいたのだが、ティラナの人々はやたらと掃除好きだ。
店先を履いているのはもちろん客寄せのためだろうが、なにげない通りや民家でも掃除している人が多い。
履き清めるだけでなく、打ち水をしている人も多く、なんとなく日本の原風景を観ているような気にさせられる。
日曜だからお掃除しましょう、というワケではないだろうから国民性かな、
こういう点はぜひアジアの赤い国にも見習ってほしいものだ。

宿のスタッフから「バス乗り場は時々変更されるから、マメに確認したほうがいい」という情報をもらっていたので、
掃除している人や店を開ける準備をしている人に道を尋ねながらバス乗り場を探す。
長距離バス乗り場は利用しない人にはまったくわからないので、
声をかけてもアタリハズレがあるのが厄介だったが、
アルバニアの人たちは億劫がらず、知らない場合は知っている人に聞いてくれたりもする。

未舗装のほこりっぽい路地に大型バスがたくさん止まっていたので、その路地に入っていった。

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「ベラーティに行きたいんだけど」

10:30、ようやくバス乗り場らしき場所を見つけ出したので、おかまいなしにそこいら辺にいた人に声をぶつけてみる。
40分も歩いてきたので、荷物はその場に下ろし、ミネラル・ウォーターを口にした。
辺りに案内板があるわけでもないので、バス乗り場であることを祈りつつ。

「ベラーティなら、こっちだ、来い来い」

そう言って来た男は、降ろしたキャスター・バッグを掴み、動き出したバスに向かっていく。

「これだ、このバスだ」

動いているバスを制すると、これに乗れという。
すでに動き出していたので、トランクを開けることはせず、
いいからいいから、とバッグを持ってくれていた男を追うように車内に進むとバスはおかまいなしに走り出した。

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車内はそれほど混んでおらず、いつものように後方席を陣取り、あらためて水を飲むと、ようやくひと心地つけた。

と思っていたのもつかの間、バスはティラナのところどころで客を拾い、気づけば車内は満席状態になっていた。
どうやら荷物を持って導いてくれた男はガイドらしく、
後から乗ってくる人から料金を集めていたが、ティラナの街を出る前にバスを降りていった。
乗り降りが激しい街なかだけ助手役を務めているようだった。

長距離バスながら、近隣の町への足も兼ねているようで、集落で人を降ろしては乗せてを繰り返し、走った。

途中、どこかの町のバス・ターミナルっぽいところで長めの停車となった。
ドアを開けた途端、物売りがバスを囲み、地元の乗客は待ってましたとばかりに飲み物やお菓子を買う。(写真6)
中にはおなじみの焼きあがったトウモロコシを家族分買って来たツワモノもいて、
車内は一気に遠足ムードが高まった。

「ココ、ドコ? べらーてぃ?」

周りに座る乗客に尋ねたが英語が通じなかったが、地名だけは伝わったようで、
「ノー」という返事をもらえたので、あらためて文庫本に目を落とした。

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舗装路は時折、未舗装の道に変わり、そのたびにけたたましい砂利の音と砂埃を立てて走り、
13:50、3時間でベラーティに到着した。

が建つ、
だだっ広い広場が「バス・ターミナル」らしく、
そこで出迎えてくれたのは、
美しい外観の『Saint Demetrius Orthodox Cathedral(セイント・デメトリアス・オーソドックス教会)』だったが、
それ以上に手厚いかったのはバスを降りるのを躊躇するほどの土砂降り雨だった。(写真8)

スコールといってもいいぐらいの激しさで地面を叩いていて、
荷物を担ぎ、店の軒先に駆け込んだものの、パンツの裾は瞬時にずぶ濡れになっていた。

しばらく身動きは取れそうもない、ティラナの朝の雨を持ってきちゃったかな、
雨宿りにカフェでコーヒーでも飲むか、と思った段階になってあることに気がついた。

ティラナからこっち、書き落としではなくちょっとしたヘンなデキゴトことがあったのだが、
みなさんお気づきになりました?


ティラナからベラーティへ
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