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Divisional Playoff 2015 [Sports]

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フットボール・ファンにとって「至福の時間」が続く1月。

正月休み、連休が終わり、いつもの生活が戻ってきているかと思います。
ただしNFLファンにおいては画面、WEB、新聞から目が離せない、
一年でもっともフットボール漬けになる月でありますね。
他のことが手につかないったらありゃしない。

ポスト・シーズン第2週はシード1,2位のチームが登場する『Divisional Playoff』。

優勝チームの中で勝率1,2位をあげたシード・チームは、
3~6位のチームがしのぎを削るなか、先週はお休み、というわけ。
そこから勝ち上がったチームをホームに迎えるという、
NFLのよくできたプレイオフ・システムでございます。

このプレイオフ・システムがあるため、
シーズン終盤でも「消化試合」が派生せず、
すでに優勝が決まった上位チームはプレイオフのシード権を、
優勝を逃したチームは「Wildcard」に滑り込もうと争い続けるわけですね。
ファンにとっては最後まで熱の入ったゲームを楽しめる、という効果が生じます。

もちろん自分の好きなチームが最終戦に敗れ、当確マークが消え、シーズン・エンドなんて、
今シーズンのSan Diego Chargersのような悲しみもありますが。



現地時間1月10日、まずはAFC Baltimore RAVENS(#6)@New England PATRIOTS(#1)、
ボストン郊外のフォックスボロ、ペイトリオッツのホーム「Gillette Stadium」での対戦。
(カッコ数字はシード順位)

シード6位のレイヴンズはプレイオフのアウェイ・ゲームをものともしない。
第35、47回と2度のスーパーボウル・チャンピオンに輝いているが、
いずれもワイルドカードからの勝ち上がりで栄冠を掴んでいる。
ポスト・シーズンをかき回す異質なチームなのですね、これが。

一昨年のチャンピオンは初戦でスティーラーズを退け、
アウェイばかりのポスト・シーズン5連勝中と勢いにも乗っている。

一方、1位のペイトリオッツは2000年代に入り、プレイオフを逃したのはわずか3度。
しかもポスト・シーズンのホーム・ゲームは15勝4敗と圧倒的な強さを誇る。
チームはレシーバーが去ろうが、ランナーを失おうが、
HCビル・ベリチェック&QBトム・ブレイディのコンビはプレイオフへの道を切り開き、
常にスーパーボウル候補のリストに名を刻む。

両チーム、ここ6年で4度目のポストシーズン対決だ。

ポスト・シーズンで安定のパス攻撃を展開するQBジョー・フラッコ。
14対0とリードを奪うがQBブレイディもチームを鼓舞し、14対14と追随。
それでも前半は21対14とアウェイとしては上出来のスコアで折り返した。



後半、レイヴンズはTDを重ね、28対14とふたたび2シリーズの差をつける。
それを受けたペイトリオッツが秘策を繰り出す。

5人いなくてはならないラインマンを4人にし、
5人目をレシーバー位置に配置、欠けた部分にTEを入れるという、
ルールの穴を突くようなトリック・プレーを繰り出す。
http://www.nfljapan.com/streaming/20150114-7525.html
(書きつくせないので、ルール説明はコチラで)

「ペテンだ」と興奮したHCハーボーがフィールドに入る反則を犯し、
ペイトリオッツは直後にTDを奪った。

さらにプレイオフ用の切り札が繰り出される。
その後のシリーズで今度はWRエデルマンが今シーズン初のパスを試み、TDを奪う。
これで28対28の同点に追いついた。
14点差を2度追いついたチームはプレイオフ史上初。

レイヴンズはその後、FGしか奪えず、息切れエンド・マーク。
一方のブレイディはキッチリTDを奪い、この試合を決めた。

ただでは勝てないポスト・シーズン、手練れのベリチック、してやったり。
さすが勝負師、用意しているカードと度胸が違う。
時計を進めるラストプレイでタイムアウトをとり、
最後までゲームをあきらめず、
ヘイル・メアリー・パスのチャンスを残したがHCハーボーもさすが。
ベンガルズHCルイスはこういうところを学んでね。

New England PATRIOTS 35対31 Baltimore RAVENS



続いてNFC Carolina PANTHERS(#4)@Seattle SEAHAWKS(#1)。
「世界で2番目にうるさい」シアトル「CenturyLink Field」で開催。

負け越しでプレイオフに進みながら、初戦でカーディナルズを退けたパンサーズ、
守備成績ラン16位、パス11位、トータル10位の数字がチームを牽引する。
対するシーホークスの攻撃はラン1位、パス27位、トータル9位、
彼らのグランド・アタックを止められるかがカギだ。

昨年のチャンピオン・シーホークスは大きなケガもなく、ほぼ万全のチーム状況。
圧倒的勝率を誇るホームフィールドでのアドバンテージも手にし、
スーパー最有力であることは間違いない。
ラン守備3位、パス1位、トータル1位の守備成績は昨年から劣化なし。

14対10とシーホークスのリードで折り返した前半、
リーグ1位のラン攻撃を21yに抑え込んだパンサーズ守備陣の奮闘が光った。
アウェイでこの点差なら上出来だろう。



しかし後半は別のフットボールが待っていた。

パンサーズはラン132y、パス230y、トータル362y、攻撃時間34分、
シーホークスラン100y、パス248y、トータル348y、攻撃時間26分、
ほとんどの部分で上回っていたパンサーズだったが、
残念ながらフットボールはヤードを競い合うゲームでなく、得点を奪い合うゲーム。

3つのターンオーバーでボールを失ったパンサーズ、
大事な局面でボールを奪われては凱歌は上がらない。

重要な場面で「足」を生かしたQBラッセル・ウィルソンの「眼」はさすが。
一方、常に走りたがるQBニュートンはガマンを重ね、「足」を封じていたが、
「見えていなかった」不用意なフレアのパスでシーズンを終えた。

「NFLでは前半と後半では別のフットボールが繰り広げられる」といったヘッドコーチがいた。
NFLのコーチのスカウティング能力はゲームの色合いをまったく違うものに変えてしまう。
彼だけを責めるのは酷かもしれない。

Seattle SEAHAWKS 32対17 Carolina PANTHERS



現地時間1月11日、最初の試合はNFC Dallas COWBOYS(#3)@Green Bay PACKERS(#2)。
極寒のウィスコンシン「Lambeau Field」でのゲーム。

1967年12月、『NFL Championship Game』(当時)における両チームの対戦は、
-25℃、雪の中で行われ、『Ice Bowl』と称された。
(当時、AFLとNFLの2つのプロリーグが存在、
その覇者同士が『AFL-NFL World Championship Game』で対峙した。
これが後に『Super Bowl』と名を変える。
『Ice Bowl』に勝利したパッカーズは翌1月、AFLチャンピオンのレイダーズを倒し、連覇、
第1、2回のチャンピオンとしてその名を歴史に刻んだ)

こんな風にファンの記憶に留まる好ゲームはいつの間にか名が冠される。
47年ぶりのポスト・シーズン対決は『Ice Bowl 2』と煽られたが、
はたしてその名に値するゲームとなるのか。

前回記した『トリプレッツ』が好調のカウボーイズは、
チーム史上初の「アウェイ全勝」の記録を引っ提げ、敵地に乗り込む。

対するパッカーズは今季「ホーム全勝」、
ドームチームを寒いホームに迎えることに異論はないが、
17週で足を痛めたエースQBアーロン・ロジャーズのケガの具合が気にかかる。

「ホーム全勝」vs「アウェイ全勝」チームがプレイオフで対峙するのはNFL史上初。
う~ん、ペイトリオッツにしろNFLには「史上初」ってのがまだまだあるのね。



投げ急がなくなったQBロモ、アウェイで勝ち続け、ようやく覚醒したか。

大事な局面で守備のプレッシャーが効果的なパッカーズ。
プレイオフ慣れしているというか、要所要所キッチリ決めてくる。

緊張状態が続くなか、カウボーイズ最後のシリーズに待っていたのは、
4thダウン・ギャンブルで成功したかに思われたロング・パスへの『チャレンジ』。
(NFLでは1999年からビデオによる『チャレンジ・システム』が導入されている。
MLBやATPテニスがこれを追随し、導入した)

オフィシャル・レビューによるとボールを確保していなかったため、判定は覆り、
パス・キャッチは無効、カウボーイズの希望もこぼれ落ちた。

このプレイに言及するよりも、
カウボーイズの3rdダウンをキッチリ止めたパッカーズ守備を褒めるべきだろう。
4thダウン2yでギャンブルせざるをえなかったカウボーイズはまさに「博打」に敗れた。

「たられば」はありませんけどね、
あのパスが成功した後の別バージョンのゲームも見てみたかったのは欲張りすぎかな。
敗れたといえ、『アメリカズ・チーム』の復興は来シーズン以降の楽しみかも。

Green Bay PACKERS 26対21 Dallas COWBOYS



ディヴィジョナル・プレイオフ、最後のゲームはAFC Indianapolis COLTS(#3)@Denver BRONCOS(#2)。
一昨年取材にも出向いたデンバー「Sports Authority Field at Mile High」での試合。
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-11-03 (デンバー取材行)

2012年、ケガもあり、コルツを去ったQBペイトン・マニング、
居場所を失ったリーグ屈指のQBに声をかけたのがブロンコスであり、
彼の加入で低迷していたチームは昨年、スーパーボウルまで登りつめた。

ドラフト1巡でQBアンドリュー・ラックを指名し、
マニングを切り捨てることに踏み切ったコルツはそこから3年連続でプレイオフ進出、
臨むは頂点、スーパーボウルのみだ。

因縁めいた対決はレギュラー・シーズンから注目の的、
話題たっぷりの対戦がポスト・シーズンでの実現となった。



終始、パス・プロテクションがいいコルツ、
ラックは落ち着いてパス・ターゲットを探す時間がある。

不用意なロングパスを2度インターセプトされるが、
パント代わりのロング・フィードという感じで動揺はなし。
あるいは織り込み済みのミスだったのか。

一方、マニングはパス・ラッシュのなか、正確なパスが通らない。
コルツ守備は確実にタックルを決め、セカンド・エフォートを許さず、
最後の4thダウン・ギャンブルも仕留めた。

確実にQBを守り、ターゲットを探す時間を作り、
正確にタックルを決め、ボール・キャリアを止めるという、
基本的なフットボールを続けたコルツの地味な勝利。
MVPはオフェンス・ライン陣ともいえる。

MVP5回、スーパー優勝1回、マニング通算2度目の初戦敗退。
15週で大腿部の筋肉断裂のケガを負っていたというが、
それを敗戦の理由にする彼ではないだろう。

NFLでもっとも難しい問題である「新旧交代」「世代交代」を成し遂げたコルツ、
かつてはマニングの「コルツ」だったが、もはやラックの「コルツ」になったといえる。
年齢を重ねがらも好成績を積み上げるQBに頼るブロンコス、
対戦後も明暗は分かれ、HCフォックスは退任、マニングの去就は不明という状態だ。

Indianapolis COLTS 24対13 Denver BRONCOS

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来週は「もっともおもしろいフットボール・ゲームが繰り広げられる」といわれる、
『Conference Championship Games』が待っている。

現地生中継にあわせ、月曜朝の暗いうちから早起き、早起き。


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