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第四夜 Entry to Republika Slovenija @Ljubljana [Slovenija]

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―DAY4― 8月8日

晴れているが朝の空気は冷たく、肌寒かった。

バスでの移動に備え、しまい込むはずだったコットンパンツを出し、履くことにし、
昨夜、スーパーで買ったパンでカンタンに朝食を済ませ、6:20にホステルをチェックアウトした。
バス・ターミナルへはトラムで10分とかからない距離だったので、少し早目に出向き、
ゆっくりコーヒーでも飲むつもりでいた、外はまだ薄暗い。

ところが眼の前の停留所で待っていてもなかなかトラムが来ない。

地元の通勤客もぽつりぽつりと停留所に顔を揃えはじめたので、
間もないだろうな、と思っていたがこれがなかなか来ない。
昨日は5~10分間隔で走っていたよな、と思い返しながら待っているが来ない。
6:20を過ぎた頃から待っているので、朝は運航間隔が長いのか、などと解釈してみたもののまだ来ない。
薄暗かった空も次第に明るくなっていき、反対方面行きのトラムだけが通り過ぎていき、
街の中心へ向かうトラムは来ない。
リュブリャーナ行きのバスは6:50なんですけど~、とツブやいてみても来ないものは来ない。

トラムがやって来たのは6:40だった。

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10分かからないとはいえ、バス・ターミナル前の停留所で降り、
そこからバス乗り場を探して、6:50のバスに乗り込めるだろうか、軽い「絶望」が頭のなかを駆け巡る。
あきらめ半分でドア脇に突っ立ち、もう半分で11:30のバスに乗ることを考えていた。
(11時までなにをする)・・・(荷物をロッカーに入れて街を歩くのか)・・・
(部屋に戻れるかな)・・・・・・(払い戻しか、買い直しか)・・・
トコトコ走るトラムの中でジリジリしながら、頭の中だけが猛スピードでカリカリと動いていた。

バス・ターミナル前の停留所に到着、時計は6:48を指している、ダメモトで走った、荷物を抱えて。

「リュブリャーナ行きのバス、ドレ???!!!」
大声で行き先を告げながら、チケットをはためかせ、乗り場に駆け込んだ。

「あのバスだよ」
スタッフが指さした先ではドライバーが荷物をトランクに積み込んでいた、どうやら間に合ったようだ。

6:53、バスは出発した。

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席に落ち着く間もなく、30分でボーダーに着いた。
クロアチアは2013年7月にEUに加盟したが、国境は通過手続きが必要で、
通貨もクロアチア通貨クーナがそのまま使用されている。
旧ユーゴスラビア諸国は国によって、通貨、国境などがバラバラ、これがけっこうややこしいので、
Wikiなどで検索してみてくださいな。

まずはクロアチア出国の手続き、続いてスロヴェニア入国という流れ。(写真2)
15分かかって越境し、9時を少し回った頃、スロヴェニアの首都リュブリャーナに到着した。
2時間ちょっとの国際バスの旅だ。

降ろされたところは街の北側にある『リュブリャーナ中央駅』に沿うようにあるバス・ストップ。

一応ここがバス・ターミナルらしいが「ターミナル」といえるような設備はなく、ただのオープン・スペース。
こじんまりした建物が隣接されていて、そこが事務所らしい。
次の目的地への時間と料金が知りたかったが、朝ということもあり混雑していたので建物を通り抜けた。

中央駅からさらに北西の位置にあるホステルを目指し、歩く。

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宿はザグレブと同じように昨日の部屋からネット予約を入れていた。
かつては「バックパッキングの旅」というと到着間もなく安宿探しに向かうのが常だった。
荷物を背負ったまま、安宿が並ぶエリアへ向かい、自分の好みに合う部屋を見せてもらい、
予算に合わせ何軒も訪ね歩く、というのが常道といってもいい。
一人だと荷物を背負ったまま、安宿数軒を訪ね歩くことになるが、
二人組となればもう少し賢い旅の方法があることを、
ヴェトナム・ホイアンで『バジェット・トラベル』を重ねるオージー夫妻に教えてもらったこともあった。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-11-04 (@ホイアン)

その常道もネットの普及で様変わりした。

「検索」ひとつで最安値の宿を見い出すことができるし、その宿の評価や設備の良し悪しまで書かれている。
もちろん宿で知り合った旅人同士、どこの宿が良かったとか、あそこは安かったとか、
「王道」の情報交換は今でも生きてはいるがその形態もかなり変貌を遂げている。

一眼レフ担いでの旅の身としては多少のセキュリティが必要だ。
安さ優先なら必然「ドミトリー」となるが、「シングル・ルーム」となるとカメラの心配がなくなる。
その分、金額がかさみ、他の旅人との交流も少なくなってしまうのが難点でもある。
平均的日本人には「ドミトリー」自体がキツイかもしれない、「シャワー・トイレ共同」なんていうのもね。

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今回は長旅なので多少の節約も必要で、30泊を5,000円の宿に泊まり続けるわけにはいかない。

とはいえ安いドミで「ベッド・バグ」(南京虫やダニやら)にやられる気もないのでここが工夫のしどころ。
「最近開業したホステル」(設備が新しければカラダの形にヘコんだベッドや不潔な設備にも悩まされない)
「街外れのロケーション」(街の中心は古くからの宿が多く値が張る。新興の宿は街の外郭に多く、地安め)
「駅やバス・ターミナルの近く」(荷物アリの移動は疲れ、時間も奪われるので)
ここらあたりが今回の宿探しのプライオリティ、シングルとドミは価格差を見て、決めることにしましょ。
プラスアルファを書くなら、
「共同キッチンあり」だとカンタンに自炊できるので、食費の節約ができる、EUは一人メシに困るのだ。
「朝食付き」なら新鮮なコーヒーが飲めるでしょうから、この2つはエクストラ・ポイントかな。

この旅では頻繁にドミトリーも使うことにもなったけど、
日本人でも耐えられるキレイ目の宿が多いのでオススメですぜ。

通勤客と擦れ違いながら、15分ほどで『Hostel Tiboli(ホステル・チボリ)』(写真2)へ到着した。
9時を回ったところなのでチェックインには期待せず、荷物だけを置かせてもらうつもりで来ていた。

「おはよう、ネットからブッキングした者です」

名前を告げ、ブッキングの予約番号(リファレンス・ナンバー)を告げる。
ネット予約ならブッキング番号を告げるのが確実で手っ取り早いのです。
名前を告げてもパスポートを見せてもナカタとかホンダとか世界的に有名な名前ならわかりやすいが、
日本人の苗字はこちらの人には馴染みのない厄介なシロモノ。
「ワイ・エイ・ケイ・エイ・ティ・エイ(NAKATA)」とスペル・アウトできると多少ハナシは早いけど。
それならば予約番号のほうがトラブル回避の早道。

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「ベッド、空いているけど入る?」

「え? いいの? 荷物だけ置くつもりで来たんだ」

「早朝に出ていったから空いているよ。クリーンアップしてないから少し待ってもらえればOK。
 あ、掃除する間にそこの朝食でも食べなよ」

受付の前にソファーがあり、寝起き顔の宿泊客がTVを観ながらトーストやシリアルを食べていた。

「ありがとう。コーヒーだけもらうことにするよ」

「掃除終わったら声かけるよ。荷物入れるなら鍵付きのロッカーがあるからそれを使って」

朝の忙しい時間にうれしい対応、こういう親切な宿、スタッフは口コミではわからないからね。
朝からベッドが使えるなんてラッキーだ、横になるわけではないが居場所が確定する感じが心強い。
しかも備え付けのロッカーが「カギ付き」だなんてやはり新しい宿にして正解、
一応ワイヤー・ロックは持っているけどね。
ああ、それにもまして淹れたてのコーヒーがウレシイのさ。

コーヒーを飲みながら、ネットでレンタル自転車『Bicikelj(ビツィケリュ)』の利用予約を済ませる。
http://en.bicikelj.si/ (ビツィケリュ公式サイト)
ミネアポリスやデンバーでも使いこなしたキオスク式のレンタル自転車がここリュブリャーナにもあるのだ。
ああ、もっともあれはロンドンだかパリだかが発祥だから、こちらさんが本場か。
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-10-20 (ミネアポリス取材行)
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08 (デンバー取材行)

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1週間の基本料が2ユーロ、キオスク・スタンド((写真8)から借り出し、
1時間以内に戻せば無料、それ以降は別途料金がかかるシステム。
市内各所にスタンドはあるのでマメに返却すれば1週間1ユーロだけで済ませることも可能だ。
最近日本の各地にも導入されてきているけど、基本料金が高すぎて、意味を成してない、
あれって市内の自動車流入を削減するとか、排ガスを制限するためのものじゃないのかね、
新たな「商売」にしてどうする。

ホステルの眼の前にある『チボリ公園』の入口にスタンドがあることを確認してきたので、
今日一日でスロヴェニアの首都を自転車で回りつくしちゃおうじゃありませんかい、という作戦。
時間があるときにバス・ターミナルも立ち寄れば、明日以降の行程も見えてくるというわけで。

荷物をロッカーにしまい、カメラを用意し、ミネラル・ウォーターを買い、さあ、自転車で街めぐりだ。



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