Makan Malam @Kota Kinabalu [Malaysia (Borneo)]
夕景の赤にたっぷり浸り、地べたに座っての貴重な時間で胸いっぱいになった。
今度は夕食の刻、腹いっぱいを企む頃合い。
ナイト・マーケットの一角でも数軒の食堂が営業していた。
シーフードを出す店もあれば、かき氷やカットしたフルーツを売る店もある。
ある店ではオヤジサンが一心不乱に鍋を振り、炒めご飯=ナシ・ゴレンを作り続けていた。
「ナシ・ゴレーン、ウマイヨ~」
どの店にするか迷っているとオヤジサンにそう誘われた。
う~ん、おいしそうなんだけど、おととい食べたんだよね、『ナシ・ゴレン』。
オヤジサンの勧誘には乗らなかったものの、
その店で出していた『フィッシュボール・ヌードル』がうまそうだったので、そこに決めた。
食堂といっても吹きさらしの店、店先で鍋を振り、その後ろにテーブルが並ぶようなつくりの簡易食堂だ。
奥のテーブルに入り込み、腰を下ろし、忙しそうな店先を眺める。
注文や会計をするのがオカアサン、テーブル周りを片付けたり、配膳しているのが娘だろうか、
高校生ぐらいの若い女のコが小気味よく働いていた。
彼らの話し方から想像すると、ナシゴレン・オヤジサンの一家のようだった。
「『フィッシュボール・ヌードル』1つね。『スープ』『ミーフン』で」
「OK」
「あと『テ・ペン』ある?」
「うちは缶しかないわ」
女のコは英語がわかるらしく、動きと同じように小気味よく返してくれた。
東アジアでよく見かける魚の「すり身だんご」が乗った『フィッシュボール・ヌードル』、
ボールは「つみれ」というほど魚臭くなく、丸めた「かまぼこ」のような感じのプリプリ食感。
屋台やフードコートでもかならず見かけるシンプルな食べ物だが、
実は注文がけっこう厄介で、シロウトが手を出すとイタメにあう。
というのは大げさだが、知らないで注文すると店先でかなりドギマギすることは確かだ。
タヌキやキツネといった『立ち食いそば』にも似たシンプルな麺類だが、
まず4~6種類ぐらいある麺を選ばなくてはいけない、「そば」「うどん」のレベルじゃない。
中華麺の細いの、幅広なの、米麺タイプの太いのや細いの、それに素麺に似たものもある。
さっき告げた『ミーフン』は細めのビーフンのこと、こいつはスープを吸い込むさっぱり系ね。
気の利いたフードコートなどには店先に麺のサンプルが並んでいたりするが、
屋台やホーカーズでは注文と同時に麺の種類を告げなくてはならず、
アマチュア(誰が?)はメニューなどない店先でオロオロする破目に陥るというワケ。
試練はまだ終わらない、続いて『ドライ』か『スープ』かを選択しなきゃ。
『ドライ』なら茹で上げた麺にソースをかけてくれる『釜茹で』方式で、
『スープ』と告げれば日本のラーメンと同じく、茹でた麺がスープに浸ってやってくる。
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シンガポールで暮らすことになった際、最初は昼飯にこいつを頼むのすらおぼつかなかった。
ランチタイムで混み合うホーカーズでは店のおばちゃんは客をさばくのに躍起になっていて、
ドンくさいこちらの注文なんか待ってくれない。
「はい、なに?」「ドレ?」「ナニ?」ってな感じでガンガン押されるので、
来星したばかりのアマチュアはズンズン気後れするわけだ。
おばちゃんの動きを止めるほど英語ができるわけではないし、
働く人の流れを止めてしまうような振る舞いをするにはあまりに日本人的な気質が顔をのぞかせるし、
初めはおばちゃんのお好みで作られた『フィッシュボール・ヌードル』をただ食っていた気がする。
そのうち『ドライ』にしてみたり、麺を選んでみたり、
通ぶってアレコレやってもらって、不味くなったり、なんてしくじりもあったっけ。
4リンギットの『フィッシュボール・ヌードル』を啜りながら、そんなことを思い出していた。
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2014-10-07 23:24
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