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Pasar Besar @Kota Kinabalu [Malaysia (Borneo)]

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16:20、コタ・キナバル(KK)の港に帰り着いた。

船は定刻通り、13:00にラブアン島を出発、
客室で強烈なエアコンに冷やされながら、文庫本のページを進めていると、3時間半かかって到着した。
行きより1時間多くかかっているのは潮の流れのせいだろうか、あるいは風が強かったのか。
いずれにしろこれで一泊の「海外旅行」は完結だ。

港から歩いて宿に戻ると同じ部屋をアレンジしてくれた、これも客が少ないオフ・シーズンの恩恵かな。

預かってもらっていたバゲージを部屋に放り込むだけで、すぐに夕方の市場に繰り出した。
海沿いの『Central Market(Pasar Besar)』の裏手に広がる魚市場が通称『Wet Market』、
数日前の昼間に訪れた際は威勢のよかったエリアだが、すっかり眠りに就いていて、
ニギヤカさは隣の露天のエリアに移っていた。

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そこの屋台には豪華なシーフードが並び、それらや肉を焼くバーベキューの煙が激しく辺りを包んでいた。

てっきり観光客がシーフードのディナーに高い金を費やしているのかと思いきや、
テーブルを囲んでいる中には地元の家族連れがけっこういることに気づいた。
どうやら当たり前のように食事にくるエリアのようだったが、
いずれにしろひとりでシーフードにカブりつくのは少しばかり気が引けていた。

煙の中ではモスリム用に一定の作法が施された「ハラル」と書かれた看板がぶら下げられ、
焼き方が荒っぽいのか、安い肉で脂が多いのかわからないが、
辺りは煙幕で包まれたかのように前が見えないほどの煙で白くなっていた。
こうなると肉を燻しているのか、人を燻しているのか、わからないような有り様だ。
口元にバンダナを巻き、煙たそうに肉を焼くおにいちゃんが白い幕の向こうでにやりと笑っていた。

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海沿いの『Central Market』を挟む形で、反対側には『Night Market』が広がっている。

かつてフィリピンからこの地に移住した人たちでニギワっていた市場なので旧称『Pillipino Market』、
「マレーシアなのに『フィリピーノ・・・』はおかしいだろう」ということで『ナイト・マーケット』と呼ばれるようになったとか。
こちらは野菜や精肉、フルーツが山のように盛られ、地元の人たちがそれを買い求めている、
値段交渉、あるいは世間話しか、丁々発止、アレコレおしゃべりしながらアチラコチラで買い物が続けられている。
キャッチコピーを記すなら「地元の夜の台所」という感じ、ああ、安っぽいコピー。

仕事帰りの人や子連れの女性が大きなビニール袋を提げて帰っていく。
人によってはマーケットの隣の船着場から出る水上タクシーに乗って、別の島へ渡って行く。
日が沈むこの時間、それぞれが家に戻って夕食の支度なのかな。

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世界中どこを歩いていてもやっぱり市場はおもしろい。

吹きっさらしで剥き出し、やりっ放しのモノが並ぶだけの市場だが、そこには生活のエネルギーが溢れている。
パック詰めされたものを空調が効いた明るい蛍光灯の下で買い求めるのが当たり前の生活とは隔世の風景、
これも同じく21世紀の情景なのだが。
彼らに言わせると、ナニが添加されているかわからないパック詰めのモノよりも、
眼の前で捌かれる肉のほうが安全安心、健全だという。
ただし南の国では衛生面に不安があるけどね。

アジアに限らず、ヨーロッパでも日常生活から近い距離に市場がある。

もはやどの国、どの街にもスーパー・マーケットがあるけれど、
大きな街でも小さな村でもどこかで市場は開かれていて、地元の人で賑わっている。
パック詰め、大量生産、スーパー・マーケット・・・、
これってやっぱり冷蔵庫を発明したアメリカの文化だよね。

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買い物自体は人にとって「快楽」行為、依存症になるほどの「快感」が伴うそうだけど
ムダ話をしながら買い物すると創造性が上がり、依存性は昇華する割合が増えるらしいです。
クリックひとつで買い物できちゃう時代、人との交流がメンドくさがられる昨今、
市場は古くから連綿と続く商習慣だけあって、人にも心にも優しいというわけか。
なんとも時代に抗っていていいよね。

とはいえ、市場の値段表示はほとんどキロ単位、旅行者としては手を出しづらいのだけど、
ガンバって踏み込んでみると、やっぱり人と人とが売り買いする商習慣の良さが顔を覗かせる。
果物を少しばかり買いたい、と告げると、質のいいのを見繕い、手際よく袋に放り込んでくれる。
値段もざっくり、キリのいい数字をくれたりしてね。

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余所者の旅行者としては「みなさんの日常生活をジャマしてすみません」という感じでしかないですが、
意外にも市場の人たちは明るく陽気に受け入れてくれる。
客であることに変わりがないからか、あるいはヘンな外国人を面白がっているだけなのか、
その理由は市場で働いてみないことにはわからないけれど。

朝食代わりにマンゴーを購入、ドゥリアン食べたかったけど宿に持って帰れないからね。


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