Labuan @Kota Kinabalu [Malaysia (Borneo)]
4月2日 -Day3-
スコールがすべてを洗い流してくれたのか、すっきりと晴れた。
今日はブルネイへの船旅、「海外旅行」へ旅立つ。
必要なものだけをデイパックに詰め込み、7:30にチェックアウト。
宿にキャスター・バッグを預け、徒歩で街の東にあるフェリー・ターミナルへ向かった。
朝だというのにすでに蒸し暑い中、15分ほど歩き、8時前にチケット・ブースに到着。
ブルネイに向かう直通のフェリーはなく、
ラプアン島というマレーシア領の島で違う船に乗り継ぎ、向かう形のようだ。
KK~ラブアン島、ラブアン島~ブルネイのチケットが合計63,60RM(≒1990円)、
と表示されている。
「往復チケット、ないの?」
「ないわ。でもブルネイまで通しで買うと60RMで買えるわよ」
「じゃあ、それください」
コーヒー1杯分お得になる通しのチケットを購入。
マレー・リンギットでまとめてチケットを買えるなら、
通貨が変わるブルネイで負担が減るな、と目論んだのだが、そううまくはいかなかった。
外貨両替を少なく済ませられるとラクなのだけどね。
乗船前にカンタンなパスポート・チェック、
船内は1等が2階、2等が下のシートと分けられている。
いちおう指定席が割り当てられているが、空席は多く、ゆとりのある席を陣取った。
これまたオフ・シーズンの恩恵かな。
9時過ぎにフェリーは動き出し、11:30にラブアン島に到着した。
ボルネオに向かう船の時間は13:20、
少しばかりの上陸、冒険の時間が与えられたわけだ。
島は小さく、当然、町も小さい。
フェリー・ターミナル前には免税店が軒を連ねていて、
小さな町に免税店しかないのではないか、と思わせるほど似たような店が連なっていた。
この島は「フリー・ポート」とされていて、全体が「免税島」と化しているのだが、
通過するだけの旅人がウィスキーのボトルが並ぶだけの店先に興味を惹かれるはずもなく、
どこかWi-Fiでも拾えるカフェか、食堂を探そうと、それらを無視して小さな町を歩いた。
写真を撮りつつ歩いていると、ほとんどの通りを歩きつくしてしまった。
昼時、ということもあり、カフェでなく食堂をチョイス。
オカズを選ぶ「ぶっかけ飯」、牛肉の炒め物とインゲンを選び、テ・ペンを頼んで10RM。(≒310円)
エアコンが効いた食堂だったのでちょっとお高め。
なにせ一番熱い時間、エアコンが恋しくて仕方ないので値段の問題ではない。
食後もそのまま読書で時間をつぶし、しっかり熱さを避けた後にフェリー・ターミナルへ。
「あっちで『PORT TAX』払ってきて」
入口で通しのチケットを見せるとそのまま突き返された。
港湾使用料のようなものだろうか、別の窓口で5RMを払い、
そのレシートを差し出すと今度は関門突破、船に向かうことに。
乗船前に空港と同じような出国カウンターがあり、そこでパスポートにチョップ(スタンプ)をもらう。
考えてみたらここでマレーシアを出国するのだ、さっきのは出国税のようなものか。
これにてマレーシア出国完了。
ふたたびの船旅は2時間弱、15時過ぎにブルネイの港に到着した。
入国手続きのカウンターは2つしかなく、行列している。
少しだけ並び、少しだけ質問され、少しだけ怪しまれ、ブルネイに無事入国。
これで44ヶ国目を踏破かな。
船での越境経験を思い出す。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-25 香港~マカオ、
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2011-01-10 香港~珠海、
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-10 福岡~釜山、
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-06-01 タンジェ~アルヘシラスなんてのもあったな。
久しぶり、船での国境越えだ。
外に出るとフェリーの客はすでに去っていて、閑散としていた。
一ヶ所しかない両替所でリンギットをブルネイ・ドルに替えてもらう。
手元には$20がやってきた。
どういうわけかブルネイはシンガポール・ドルと同じ通貨レートを利用しており、
また実際にシンガポールの通貨も使える、というオモシロイ国。
シンガ・ドルならこちらにとってはわかりやすいので都合よい。
フェリー・ターミナルの前の車回し、
そこに首都『Bandar Seri Begawan』(バンダル・スリ・ブガワン)へ向かうバスがやってくるはずなので、
歩みを進めると、欧米系の旅行者が互いに距離を置き、所在無げに座っていた。
「タクシー?」
「うん、いらない」
世界中の「ターミナル」と呼ばれる場所には例外なくいるタクシーの客引きを軽くあしらっていると、
後ろから声をかけられた。
「市内行きのバスはここに来るのかな?」
ヨーロピアンだろうか、大きなバックパックを背に語りかけてきた。
「だと思うけど。わたしも初めてきたので確かじゃないよ」
そう答えるとタクシー・ドライバーが口を挟んできた。
「バス、ここ、クル」
客引きをしているくせに教えてくれる人の好さ、アジア人のこういうのんきなところが好きだ。
「らしいですね、ここで待ちましょう」
ドライバーの言葉を真に受け、彼は荷物を地面に下した。
船での越境、未踏の国を訪れる短い海外旅行はまだ終わらない。
blogramランキング参加中!
コメント 0