Residential Street @Denver [Denver (U.S.)]
ダウンタウンでランチに『パッタイ』を頬張った。
モールにチェーン店であろうタイ料理のファスト・フード店があり、
思わずそこに引き込まれた。
ござっぱりした明るい店内は女性客が多く、
不慣れな箸と格闘している人もいれば、当たり前のようにフォークを使う人もいた。
そういえば昨夜のディナーで「デンバーで有名な料理と流行りの料理は?」と尋ねたら、
「スシとサシミ」という意外な答えをもらったのを思い出した。
標高1600mのこの街でなんともフシギな答えだったが、
西海岸で獲れた海産物は新鮮なその日のうちに空輸されてくるそうで、
レストランが建ち並ぶ通りには「SUSHI」の文字がアチラコチラに目立っていた。
この街は歴史も浅い中規模都市なので、伝統的な料理があるわけでもなく、
また移り住んできた人も多いため、食べ物にあまり垣根がないらしい。
日本料理はまさに最先端のトレンドで、
タイ料理などはそれを追うムーブメントのひとつなのかもしれない。
並びのカフェでは奇妙な一団に出会った。
「日本の雑誌なんだけど、写真いいかな?」
「ええ~、日本の? そりゃあ、クールだ。
おい、みんな集まれよ、日本からの取材だってさ」
そういうと互いに声をかけ、おどけたポーズをとってくれた。
「いつもそんなカッコで試合に行くの?」
「いや、ハロウィーン・ウィークエンドだからさ。
職場の仲間で挙って揃えてみたんだ」
彼らはレストランのオーナーやマネージャーで、
今日のゲームに合わせて、コスプレとメイクを施したらしい。
(彼らの写真は本誌にも掲載され、現地の放送でもバッチリ写されていた)
NFLにはこんな楽しみ方もあるのだ。
部屋に戻り、荷物をまとめ、チェックアウトを済ませた。
今日は観光局オススメのB&B(ベッド&ブレックファスト)へ移動。
宿はダウンタウンから州議事堂の裏手にある住宅エリアにあるのだが、
タクシーで行くには近すぎ、歩いていくには遠いという距離だった。
とりあえず、モールを走る無料のシャトルに乗り、終点へ。
といっても2ブロックほどしか進んでないのだが、
天気がよく、いつものように荷物は少ないので、
なんとなく地図で掴んだ方向を目指し、そこからは歩くことにした。
ビーチリゾートホテル 1,000円台~5つ星ホテルまで
住宅街は静寂に包まれていて、街路樹の周りをリスが忙しそうに動き回っていた。
アメリカの街だとひと気のないエリアは怖い感じがするが、
デンバーの場合、ダウンタウンも穏やかだったので、不穏な印象は受けない。
それよりもアメリカで「B&B」といわれてピンときていない、という心情で歩いていた。
「B&B」といえばイングランド、その名残りのあるボストン辺りなら想像がついたが、
こんな西部の街で、という疑念で、しかもそれを観光局が勧めているのがさらにクエスチョン・マークだった。
キャスターバッグを抱え、穏やかな住宅街を進むとひときわモダンな家が現れた。
おお~。
さすが観光局が推すだけある品格のある民家だ、小さな門の前に立つと疑念は一気に吹っ飛んだ。
呼び鈴を鳴らすと玄関が開き、出迎えてくれた。
「予約の方? どうぞ、奥へ」
名前を告げると手慣れた感じで家の中へ導き入れてくれた。
玄関脇のフロント・デスクの奥のリビングでは暖炉に火が灯っていた。
「わ、暖炉だ、いいですね」
「部屋、まだ用意ができてないの。待ってくれます?」
「いや、荷物だけ預かってくれればいいですよ、これからゲームに行くので」
「あら、ブロンコスのゲーム? でも試合は夜じゃないの?」
「キックオフは夜ですけど、取材なので早めに入るんです」
「じゃあ、荷物は預かっておくわ」
荷物を渡すと今来た道を戻る、目指すはマイルハイ・スタジアムだ。
Capitol Hill Mansion Bed & Breakfast Inn
http://www.capitolhillmansion.com/
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